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2007年5月3日木曜日

もう一度「計算化学で求められる核電荷」

 前回のCONFLEX iNSIDEは...

 分子の性質を語る上で、分子中の核の形式電荷はとても重要な概念です。特に無機化学や錯体化学では非常に役立ちます。高校の化学でも鉄の3価と2価のイオンの色が違うとか教わりました。計算化学でも、いくつかの方法によって原子核周辺の電荷を簡単に計算が可能です。しかしそれらは、通常無機化学や錯体化学の核電荷とは良く対応しません。とはいえ分子内の原子核の電荷は結合など、様々な相互作用の理解にとても便利です。


 電荷の一番簡単な計算法としてMullikenPopulation Analysisが広く用いられています。Table 1に水とメチルアルコールのMulliken電荷を示しました。水分子ではSTO-3Gと6-31G**と6-311G**で、酸素が負で水素が正という傾向は変わりませんが、STO-3Gと6-31G**で酸素の電荷が2倍も違うというように、電荷の値は用いる基底関数によって大きく変わります。


 一方、メチルアルコール(メタノール)の場合は状況が違います。STO-3Gと6-31G**はよく似た結果を示していますが、6-311G**になると炭素原子の電荷の符号が違っています。また、水とメチルアルコールの酸素の電荷は、STO-3Gでは大きく異なり負の電荷が増加していますが、6-31G**, 6-311G**ではあまり大きく変わらず、むしろ負の電荷が小さくなっています。


 もし正しい電荷の値があるとしたら、どの基底関数の結果が正しいのか確かめてみたいと思います。でも正しい電荷の値って何?ああ難しいぃ!


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