Atomic Orbital や
Molecular Orbitalというのはそれぞれ
原子軌道、
分子軌道と訳されますが、その軌道というのは我々が知っている
古典力学の言うところの粒子の運動の軌跡ではなくて、雲のようなものです。化学では分子構造がその分子の性質と密接につながっていることから、その構造の3次元表示が非常に多くの情報を与えます。同様に化学反応は
フロンティア軌道,すなわち
最高占有軌道(HOMO)と
最低非占有軌道(LUMO)が重要ですので、分子軌道や静電ポテンシャルの3次元表示も非常に重要な情報を直感的に与えます。化学は
トポロジーや3次元グラフィックスなどと非常に密接した研究領域なのです。こういった3次元表示には主に計算機がつかわれ、種々の可視化法がありそのツールも数多くあります。主なものは断面表示や等値曲面表示ですが、
電子雲の柔らかなイメージとはかなり異なります。またその形状や関数値変化および節面の表現がなかなか難しいのです。最近、
埼玉大学の時田先生や
函館高専の長尾先生たちが
原子軌道のユニークな表示方法を提案なさっています。それは、おみやげ屋さんなどでよくみられる、ガラス内レーザー彫刻を用いたものです。

この3次元実体模型は、手にとって自由な方向から眺めることができ、原子軌道全体の形状や節面が容易にわかります。時田先生のご厚意で、1s,2s,3s軌道の3次元実態模型を示します。1sは節面が無くて、2sでは1つ、3sでは2つあることがすぐわかります。この模型は教材としても秀逸なものですが、オブジェとしてもとても美しく見事なものです。
やっぱり自然は美しい。 CONFLEX iNSIDEは計算化学を応援しています。
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