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2007年2月23日金曜日
ところで「計算化学ってなに?」(3)-簡単な計算化学-
化学は扱う分子の数が1つから1023個(アボガドロ数個)で、長さで10-12mから103m、時間で10-15秒(1ヘムト秒と言います。)から102時間と時間・空間のダイナミックレンジがきわめて広いという特徴あります。そのため系のサイズに対して用いる研究開発の手法も大きく異なります。
私たちがさわれるサイズ(原子1023個程度の系)の系の性質を研究するとき、物性推算法や構造活性相関法が使われます。これらは、データベースから経験的手法を導き出し、それを用いて種々の物性定数を推算する方法です。研究者の頭脳に蓄積された知識DBからの法則発見はごく少数の天才にのみ許された作業でしたが、現代では計算機を用いて、人の頭脳の容量を遥かに超えた多種多様なデータベースから、より広範囲な適用範囲を持ち精度の高い法則の抽出が容易に行われるようになってきています。
簡単な例を紹介しましょう。図はアルコールとエーテルの分子量と沸点をエクセルに入れ、グラフにし、さらに回帰直線を引いたものです。回帰直線式は上がアルコールで下がエーテルのものです。この式はエクセルが最小自乗法で自動的に作った式です。アルコールやエーテルの分子量がわかるとこの式を用いて沸点の予想ができます。これを見ると同じ分子量でもアルコールの沸点の方が高いことがわかります。なぜでしょう??
またアルコールでもエーテルでも同じ分子量を持つ異性体の沸点が違うことがわかります。エーテルではn-XXXXよりiso-XXXの方が低いのです。なぜでしょう?
これらは、計算化学の問題ではなく化学一般の問題です。お楽しみください。
お茶の水大学名誉教授で数理化学の大家である細矢先生は、学生の頃、化学便覧の飽和炭化水素の熱力学量の表をみて、あの有名なトポロジカルインデックス(海外では細矢インデックスのほうが有名)をひらめかれたそうです。できる人はちがいます。
CONFLEX iNSIDEは計算化学を応援しています。
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