
大規模計算は一般に膨大な演算量を必要とするためその解の信頼性には
仮数部のビット数が大きく影響しています。現在、殆どの分子軌道プログラムでは他の科学技術計算と同様に倍精度実数計算を採用していますが、生体高分子のような大きな分子の場合にはそれで十分な精度をもった解が得られるという保証はありません。

図に基底関数の増加に対する分子軌道法の計算精度の変化を示しました。図中右上の点が打ってある領域は、倍精度(64ビット)の計算で、もはや1 kcal/molの精度が補償できなくなる領域です。左下の真ん中の線の上の4つの黒い点は炭化水素分子を皆さんがよく使っておられるプログラム3種で計算した物です。下の線は、並列計算をシミュレートしたプログラムで計算した物です。
これを見ると計算機上での数値実験結果から、従来の
フォック行列計算法では基底数が数千に達すると計算されるエネルギー値は
化学的精度を満足できないこと、しかしながら計算アルゴリズムを工夫することによって大規模計算に必要な10,000基底程度の場合でも倍精度実数計算で化学的精度を満たすことが可能なことがわかります。
もう何度か書いてきたように、20,000軌道の計算は手に届いています。いまこそ、新しい計算法や計算機の開発が望まれるときなのではないかと思います。なんかやらなきゃいけないことがいっぱいあります。はぁ。
CONFLEX iNSIDEは計算化学を応援しています。
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