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計算機シミュレーションは自然現象を探究する方法でありながら、自然そのものを対象とした実験ではなく、量子力学という理論を基にした数値実験です。理論はもともと人間が考えたものであり、実験的観測をわかりやすく説明できる限り有用です。もちろん実験事実を説明できなくなった理論は捨てられます。量子力学の発展も黒体輻射を上手く説明できることから広く受け入れられるようになりました。まあ理論であったものが信仰として残ることは多くあります。事実の説明はその多くがこじつけであることもあります。そのため、事実を説明することに成功した理論が、さらに普遍性を主張するには、将来観測されるであろう現象を予言することが求められま す。通常そういった未来の予言のためには、理論から高性能計算機をふんだんに使った莫大な計算をへて結果を得なければなりません。
初期量子反応化学理論とでも言うべき福井謙一博士のフロンティア軌道理論は、 反応選択性の説明に成功し、さらにその説明に従う多くの新たな反応が発見されたことによって、有機化学反応論における普遍的理論としての地位を築き、1981年にノーベル化学賞を与えられました。計算化学の手法のひとつである分子軌道計算は、フロンティア軌道理論の理解と普及に大きな役割を果たしました。最近では計算機の発展とともに、大規模な系の分子軌道も計算できるようになってきており、生体反応なども計算化学で取り扱えるようになってきました。フロンティア軌道理論のすごいところはいろいろあるのですが、最高占有軌道(HOMO)と最低非占有軌道(LUMO)の形をみれば反応中心が推定できるという点が、大規模な生体分子の反応を解析する際非常に役に立ちます。
図は、約2,000原子からなる小さなタンパク質のフロンティア軌道です。左側のローブがHOMOで、右がLUMOです。宇宙空間にこの分子を浮かべると、どこからかゆっくりと飛んできた電子は、図の右側のLUMOに取り込まれます。ちょっとすごいでしょ。
CONFLEX iNSIDEは計算化学を応援しています。
初期量子反応化学理論とでも言うべき福井謙一博士のフロンティア軌道理論は、 反応選択性の説明に成功し、さらにその説明に従う多くの新たな反応が発見されたことによって、有機化学反応論における普遍的理論としての地位を築き、1981年にノーベル化学賞を与えられました。計算化学の手法のひとつである分子軌道計算は、フロンティア軌道理論の理解と普及に大きな役割を果たしました。最近では計算機の発展とともに、大規模な系の分子軌道も計算できるようになってきており、生体反応なども計算化学で取り扱えるようになってきました。フロンティア軌道理論のすごいところはいろいろあるのですが、最高占有軌道(HOMO)と最低非占有軌道(LUMO)の形をみれば反応中心が推定できるという点が、大規模な生体分子の反応を解析する際非常に役に立ちます。
図は、約2,000原子からなる小さなタンパク質のフロンティア軌道です。左側のローブがHOMOで、右がLUMOです。宇宙空間にこの分子を浮かべると、どこからかゆっくりと飛んできた電子は、図の右側のLUMOに取り込まれます。ちょっとすごいでしょ。
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