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2007年7月24日火曜日

「電子相関??」

 メチルアントラセン(図1)の精密な回転線の観測が行われるようになってきました。そのため回転ポテンシャルを精密に計算する必要が出てきました。分子の対称性から考えると、図2の180°と150°が重要な構造であることが判ります。

  



 図3が電子相関を含まないHF計算によるポテンシャル面です。基底関数は6-311G**です。メチルの回転角を除くすべての構造パラメータは最適化されています。180°が最安定構造で150°は遷移状態です。


 一方、図4はHFの構造を用いたMP2計算の結果です。MP2には2体の電子相関が入っています。こちらでは150°が最安定で180°が遷移状態になっています。計算方法によってポテンシャル面の形状が大きく違います。

 さて、図5は電子相関が中途半端に入っている密度汎関数法のB3LYP計算によるポテンシャルです。162°辺りが最安定で150°、180°ともに遷移状態になっています。なんだこりゃあ!!

 さて皆さんはどれを信じます???うーん。


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